【冬の京都 弾丸一人旅】2日目。朝の伏見稲荷から祇園の夜へ。
旅行日:2026年1月
眠い目をこすりながら始まった京都二日目。
静かな朝の伏見稲荷から、バスや徒歩で名所をめぐる一日。
最後は祇園の街で、しみじみ「来てよかった」と感じる旅になりました。
目次
まだ暗いうちから始まる、京都の朝
二日目は朝5時起き。
まだ眠気が残っているが、気合を入れてベッドから抜け出し、まずはシャワーを浴びる。さっぱりして目が覚めたところで出発だ。
始発のバスで京都駅へ向かい、そこから電車で三駅。
稲荷駅で降り、かの有名な伏見稲荷大社へ向かう。
参道脇には土産物屋が並んでいるが、もちろんまだ開いておらず静まり返っている。
それでも6時半頃に到着すると、まばらに外国人観光客の姿が見えた。


まだ日が昇っていないため、境内は薄暗い。
静けさの中を進んでいくと本殿が現れる。ここで旅の安全を祈願し、いよいよ千本鳥居へ向かう。

静けさに包まれる、朝の千本鳥居
暗く、人の少ない鳥居の下を歩くのは、少しだけ怖さもある。
延々と続く鳥居の列は圧巻で、その合間合間にお稲荷様が祀られている。数えてはいないが、千匹くらいいそうな気配だ。

千本鳥居には二つのルートがあり、どちらも最終的には稲荷山の山頂にある「一ノ峰上社」へと続いている。片方のルートで登り、もう片方で下りることで、稲荷山を一周するような形になる。
一ノ峰上社は稲荷山の最高峰 (標高233メートル)にある。そこに鎮座するのがこの末広大神だ。

山頂へ到着した頃には、体はすっかりヘトヘト。
それでも、次第に日が昇り、周囲が明るくなるにつれて、鳥居の朱色が鮮やかに浮かび上がる。
その光景に包まれ、自然と背筋が伸びるような、とても神聖な気持ちになった。

おみくじと、おいしい朝定食
下りはさすがに登りよりも早く、8時前には本殿に戻ってきた。
授与所が開くのは8時とのことで少し待ち、おみくじを引く。結果は「吉」。
良くも悪くもなく、なんとも無難な結果だ。

さすがに疲れが出てきたので、一旦ホテルへ戻ることにする。
まだ何も食べていなかったため、道中でモーニングをやっている店があれば入ろうと思ったが、見つかるのはチェーン店ばかり。
仕方なく、その中でも東京にはない店を選んで入ることにした。
入ったのは「まちかど屋 五条店」。
焼き魚とだし巻き卵の朝定食を選び、豚汁に変更する。だし巻き卵が付いているあたりが、いかにも関西らしい。
だし巻き卵はボリュームがあり、優しい味わい。鯖の塩焼きも皮がパリッとしていて、塩加減もちょうどいい。
空腹だったこともあり、あっという間に平らげてしまった。
ホテルに戻って少し休み、身支度を整えていると、あっという間に10時のチェックアウト時間。
ホテルを出て、次は銀閣寺へ向かう。
銀閣寺と仁和寺、ふたつの名刹
さすがに疲れていたので、素直にバス移動をする。車内は地元の人と観光客が半々くらい。ほどなく到着すると、銀閣寺(東山慈照寺)はやはり混んでいた。
写真を撮るベストポジションはすでに埋まっている。話しながら動画を撮っている外国人観光客の姿もちらほら見かける。
銀閣寺を見ると、やはり金閣寺のほうは絢爛豪華だと思う。こんな場所で政治が行われていたとは、にわかには信じがたい。
ちなみに拝観券はお札の形をしていて、不要な人は退館時に返却できる仕組みになっていた。
次に向かったのは仁和寺。仁和寺の二王門には、江戸時代に作られた迫力ある阿形・吽形の金剛力士像が立っている。
こちらは外国人観光客が少なく、落ち着いた雰囲気だ。
ちょうど観音堂が特別公開されており、30分交代制でお坊さんが観音堂の説明をしてくれるという。


中に入ると、穏やかな表情の千手観音様が迎えてくれた。椅子に座って待つことにした。
ところが、まだ時間前にもかかわらず、お坊さんが話し始めてしまう。
そこへ、外で観光客の案内をしていた別のお坊さんが入ってきて、
「時間前だよ、あと5分」
と声をかける。
話していたお坊さんは、バツが悪そうに「すみません」と頭をかいていた。
その様子を見て、ふと吉田兼好の『徒然草』に登場する「仁和寺の法師」を思い出した。
石清水八幡宮でふもとの立派な摂社を本殿と勘違いし、山上の本殿を拝まずに「あぁ、尊かった。でもなんでみんな山に登っていくんだろう」と首をひねりながら帰ったという、あの愛すべきお坊さんの話だ。
なんだか、そんな古典のエピソードを地で行くような、おおらかな空気がここにはある。令和の仁和寺も、どうやら昔と変わらず、どこか肩の力が抜けていて魅力がある。そんなことを、思わぬ形で実感してしまった。
5分後、改めて観音堂の説明が始まった。
仁和寺の成り立ちや千手観音像についての説明はとても分かりやすく、心に残るものだった。良い時間を過ごすことができた。
ただ、同じ敷地内にある御所庭園は工事中。池の水は抜かれ、白書院にはブルーシートが敷かれていた。
お坊さんの話に感動しただけに、期待していた風情を十分に味わえなかったのは、少し残念だった。


二条城とこってり、そして夕暮れの京都
次は二条城へ向かう。
さすが将軍家が使用していた建物だけあり、どれも見事な造りだ。




襖絵には虎や松、鶴などが描かれており、眺めていてまったく飽きない。
床は有名な鶯張りで、歩くたびに「キュッ」と音が鳴るのが楽しい。
歴史の舞台を実感できる、印象深い場所だった。
さて、少し遅めのお昼ご飯を取ろうということで、天下一品へ。
定番のこってりラーメンを頼む。
当たり前といえば当たり前だが、東京で食べるものと特に違いはない。
「第一旭」にしておけばよかったかな、などと少しだけ後悔しつつ、ラーメンをすすった。
次は京都御所に行きたかったが、休館日のため予定を変更して、晴明神社へ向かう。


五芒星が輝く鳥居をくぐり、本殿へ。
安倍晴明は陰陽道の大家。陰陽道はもともと中国由来の思想だが、それを神社に祀ってしまうあたりが、日本らしい懐の深さだと思う。そういうのも、いい。

さてさて、だいぶ疲れがたまってきたが、次は八坂神社へ向かう。
祇園祭で有名な神社だけあって、さすがに人が多い。
今日は特に催しのない日だというのに、境内には屋台も出ていてにぎやかだ。到着した頃には、ちょうど本殿が店じまいをしているところだった。



あたりは次第に薄暗くなり、提灯に灯りが入る。
昼とは違う、落ち着いた良い雰囲気だ。
祇園で、“京都”を感じる
神社を出て、祇園の街を散策する。
これがまた、実に趣があっていい。昔ながらの街並みに、派手な看板はなく、提灯と暖簾だけが控えめに主張している。
すっきりとしていて、洗練されている。東京ではまず見られない景色だ。
看板やネオンが目に飛び込んでくる街並みとは違い、ここには別の時間が流れているように感じる。


そんな雰囲気に浸りながら歩いていると、前方を舞妓さんが歩いていくのが見えた。
お白粉に日本髪、艶やかな着物、そしておこぼを履いて、颯爽とした足取り。何人かの外国人観光客が振り返り、静かに目で追っていく。
観光地ではあるはずなのに、不思議と騒々しさはなく、ただ「京都に来ている」という実感だけが、じんわりと広がる。
思いがけず舞妓さんの姿も見られて、この旅はもう大満足だった。
その後、祇園から京都駅へ向かい、駅で少しばかりお土産を買う。帰りの時間が近づいている。
名残惜しさはあるけれど、今回は一泊二日の弾丸旅行。
歩き回ってすっかりへとへとだけど、「また来よう」と思えるほどに、満たされた旅だった。
そうして、静かな満足感を抱えたまま、帰路についた。
【2日目:稲荷山登頂と、バスで巡る古都の東奔西走】
- 05:00 ホテルで気合の起床 、出発
- 06:30頃 伏見稲荷大社 着 。まだ薄暗い中、旅の安全を祈願し千本鳥居から山頂へ
- 08:00前 稲荷山・一ノ峰(標高233m)制覇 。下山して引いたおみくじは「吉」
- 朝食 「まちかど屋」にて。だし巻き卵と鯖の塩焼き定食
- 10:00 ホテルをチェックアウト。バスで銀閣寺へ移動
- 午前 銀閣寺(慈照寺)拝観 。その佇まいに、ふと金閣寺の絢爛豪華さを思い出す
- 午後 仁和寺にて観音堂の説明を聞く。お坊さんの「フライング説法」に遭遇
- 午後 二条城の鶯張りと襖絵を堪能 。天下一品で遅めの昼食
- 夕方 晴明神社、八坂神社を参拝 。提灯に灯が入り、落ち着いた雰囲気に
- 夜 祇園で舞妓さんの姿を見かける。大満足で京都駅へ向かい帰路につく
- 2日目 総歩行距離:約10km〜(+バス・鉄道移動)
※時刻はおおよその記録。
今回の旅の総歩行距離:約25km〜30km(+バス・鉄道移動)