【金沢ぶらり一人旅】食べて、祈って、観光して。
旅行日:2026年1月
金沢へは大宮から北陸新幹線で2時間ちょっと。意外と近い。
到着時の予報は雨だったが、なんとか曇りで踏みとどまってくれた。
金沢駅で乗り換え、まずは西金沢駅へ。ちょうど昼時なので、ここで腹ごしらえをすることにした。選んだのは金沢カレーの御三家の一つ『ターバンカレー』だ。

カウンター席でロースカツカレーを注文。運ばれてきたのは、「これぞ金沢カレー」という見慣れたビジュアル。……うん、ゴーゴーカレーとそっくりだ!
もちろん美味しいし、福神漬けのサービスもありがたい。ただあまりに似すぎていて、思わず笑ってしまった。

満腹になったところで、最初の目的地である白山比咩神社へ向かう。
西金沢駅から北陸鉄道で鶴来駅へ移動したが、この電車の運転がとにかく荒い!冗談抜きで脱線するんじゃないかと思うほどの揺れに、終始肝を冷やした。
恐怖の時間を終え、ようやく鶴来駅に到着。ここからはのどかな景色を楽しみながら、神社まで歩くことにする。


白山比咩神社に到着。
鳥居をくぐると、深い緑の中に緩やかな階段が続く。
社殿は長い歳月を感じさせ、太く立派なしめ縄が目を引く。
旅の安全を祈願しながら境内を歩くと、色鮮やかな神馬や水音を轟かせる滝、そして鼻の穴が大きな愛嬌のある狛犬に出会った。



次に向かったのは、金運のパワースポットとして知られる金剱宮。
さぞ歴史を感じさせる佇まいだろうと期待していたが、社殿の入り口を覆うサンルーフのような囲いに驚かされた。寒冷地ならではの対策だろうが、予想外の現代的な姿に、少し面食らってしまう。
それでも、すがるような思いで金運アップを強く祈願した。



駅まで歩く頃には、空はもう夕色に染まっていた。金沢へ戻ろうと電車に乗り込むが、帰りの揺れは行きを凌駕するものだった。
座っているのに体がバウンドし、一瞬宙に浮くほどだ。
手すりが激しく揺れ、吊り革が荷物置きにぶつかる音に、再び脱線の恐怖を感じながらなんとか終点の野町駅へ。
ホテルへの道すがら、にし茶屋町を通り抜ける。小京都と称されるにふさわしい、趣ある古い街並み。ようやく、心落ち着く静かな夜が始まった。


ホテルにチェックイン。心地よい疲れを感じつつ、まずは大浴場で汗を流してリフレッシュ。
夜の街へ繰り出し、お目当ての『まわる寿し もりもり寿し 片町店』へ向かう。近江町市場店は混雑が激しいと踏んでこちらを選んだが、正解だった。


注文したのは、ブリにノドグロの軍艦、そして炙り。これを地酒でキュッと流し込む。
ブリは身が締まっていて歯応えがあり、脂のノリも抜群だ。ノドグロは淡泊で上品な佇まいながら、口の中で濃厚な脂が広がる。これぞ北陸の味、という贅沢を噛みしめ、大満足でホテルへ戻った。
部屋で寝酒をちびちびと楽しんでいたが、いつの間にか深い眠りへ。充実した金沢の一日が、静かに更けていった。
朝、目覚めてすぐ大浴場へ。湯上がりの清々しさを連れて近江町市場へと向かう。
開店準備に追われる店先には、獲れたてでまだハサミを動かすカニが並び、市場の活気に圧倒される。




朝食は『じもの亭』で海鮮丼を頂いた。やはり素材の味が濃く、一気に完食してしまった。


食後の腹ごなしに市場を巡ると『近江町コロッケ』が目に留まったが、ひとつ400円を超える観光地価格に思わず足が止まる。「コロッケにそこまでは……」と苦笑いしつつ、一旦ホテルへ戻りチェックアウトを済ませた。
向かったのは、金沢を象徴する兼六園だ。
日本三名園に数えられるだけあり、池と茶屋、そして手入れの行き届いた緑が見事な調和を見せている。ただ、季節が中途半端だったため、雪景色も花も控えめだったのが少し心残り。旬の時期ならさらに見応えがあっただろう。




最後に、ほど近い金澤神社へ。菅原道真と白蛇を祀る「学問と金運の共演」に、どこか俗っぽさを感じつつも手を合わせる。
引いたおみくじは「大吉」。最後に良い予感を抱いて、旅を締めくくることができた。



次に向かったのは、金沢21世紀美術館。
あの有名な「プールの底にいるような体験」を求めてチケット売り場へ。展示は二つのエリアに分かれていたが、せっかくなので両方観覧できるチケットを購入した。
すると係員から「プールの下へ行くには予約が必要で、最短でも17時になります」との宣告。
まだ午前10時半だ。
さすがにそこまでは待てず、中に入るのは諦めて上から眺めることにした。
久しぶりの美術館、しかも現代芸術。正直なところ、私には難解すぎた。
車のテールランプが点滅していたり、何やら楽しげな部屋があったり……。「これが芸術なのか?」と首を傾げながら歩を進める。
途中、フィルム撮影の映像作品に出会った。その質感に、ふと学生時代の卒業制作を思い出す。もちろんプロの作品とは雲泥の差だが、妙な懐かしさが込み上げた。
肝心のプールは、上から覗くと確かに底に人がいて、不思議な光景だ。
「少しは芸術に触れておかないと、感性が凝り固まってしまうな」と独りごちながら、不思議な余韻とともに美術館を後にした。
次に向かったのは武家屋敷跡。流石は加賀百万石の城下町だ。
野村家では立派な襖や掛け軸、そして当主・野村伝兵衛の甲冑に圧倒される。小規模ながら趣深い庭園を眺めていると、縁側で一服したくなるような贅沢な時間が流れていた。





続いて金沢城跡へ。天守閣こそないものの、復元された菱櫓や門は堂々たる構えだ。
見張り台の内部見学では、当時の息遣いが聞こえてくるような迫力に引き込まれた。
隣接する尾山神社の神門にはステンドグラスが嵌め込まれており、夜のライトアップを逃したのが唯一の心残りとなった。





旅の終盤、ひがし茶屋町へ足を運ぶ。古い街並みは残っているが、京都の祇園と比べると若者向けの派手な看板やメニューが目立ち、景観維持の差を感じてしまった。
「小京都」を巡るなら、ラスボスの祇園は最後に取っておくべきだったか……。




そんな反省を抱えつつ金沢駅へ。お土産を選んでいる最中、名物の「金沢おでん」を食べていないことに気づいた。
焦ったものの、幸いにもお土産用を発見。金沢の余韻は、帰宅してからゆっくりと楽しむことにしよう。

